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2019.11.9
岩木山を題材に大作 大鰐出身のこぎん刺し作家 貴田さん 日展に出展
 
       
岩木山の紅葉時期を初めて表現した貴田さん
 第6回日展が東京・六本木の国立新美術館で開かれており、こぎん刺し作家で会友の貴田洋子さん(大鰐町出身、埼玉県在住)が、岩木山を題材にした集大成とも言える大作を出展、注目を集めている。24日まで。

 「岩木山・落葉木輝け」と名付けた縦160a、横135aの作品は、昨年春から題材としている岩木山の四季で初めてとなる、秋の紅葉を表現した。

 赤や黄の暖色系の糸は、隣り合った糸の色や光の当たり具合で印象が変化し、山や木の奥行きを感じ取れる。また、色の変化や山肌を自然に表現するため、こぎんでは珍しい曲線を描くことにもこだわった。

 貴田さんは「枯れる直前の燃えるような紅葉がテーマ。曲線も刺しの基本を崩さず美しさを保つことにこだわった。全面を余すことなく刺し尽くした、とことんやり尽くした作品」と説明した。

 来月には弘前市の夫の実家に移住する貴田さん。「これからは毎日、岩木山を眺め、豊かな自然や空気感なども表現したい。弘前で新しい仲間と制作に取り組みたい」と意欲を語った。