多田野 フー子

☆カリーナ 来日 珍道中

カリーナ 飛行機に乗り遅れた瞬間を語るの巻

                                                         

えっ、どうして私が飛行機に乗り遅れたのかを知りたいですって?

本当のところ、私が知りたいくらいよ。

海外へは旅行でいろんな国へ行ったの。でも飛行機に乗り遅れたのは、これが初めて。

中南米のコスタリカにも行ったわ。

鎌倉を散策した時の、木々がうっそうと茂る森の風景は、コスタリカを思い出させたわね。

もちろん、鎌倉ほどの豪邸は見かけなかったけれど…。

公衆衛生の大切さを教えるボランティアとして参加したペルー。

日本では、マチュピチュが有名なのね。出会った人にペルーの旅のことをいうと、ほとんどの人にマチュピチュへは行ったかと聞かれたわ。

ダブリンに行った時は、空港の金属探知機の前で、 アメリカ人だけ靴を脱ぐようにって言われたこともあったわ…。


今回の旅行はね、関わっていた仕事が一段落するので、しばらく休養することにしたの。

以前から遊びに来てと誘われていた日本に行こうと決めたの。 幼なじみが家族で日本に赴任していたから。

そう、あの日は、ロサンゼルス空港でチェックインした後、日本行きの搭乗ゲートで待っていたわ。

私、友人と家をシェアしていてね、日本から帰ったら引っ越しする予定なの。

今、引っ越しの準備で大変よ。新しい家も探さないといけないし…。

と、考えることはたくさんあって、ふと我に返り、もうそろそろ搭乗時間かしらと時計を見たら、…過ぎてた。

搭乗時間は過ぎているのに、案内はまだかしらと、不安になってチケットを見たら、違う搭乗ゲートにいたことがわかり、あわてて近くの航空会社スタッフに相談。

「成田空港で私を待っている人がいるの。どうしても今日、日本へ行かなくてはならないわ。」

そう言ったら、目から涙がポロポロ流れて止まらなくなっちゃった。

スタッフは、私をサービスカウンターに連れていき、コンピューターで、飛行機をチェックしてくれた。

「残念ながら、あなたが乗る予定だった飛行機は、すでに発っています。成田空港で待っている人には早めに連絡した方がいいですね。」

私はずっと涙が止まらず、何も言えないで泣いていたのね。

そうすると…、スタッフが 「明日の同時刻発、成田空港行きの便の席が空いているので、振替できますよ。」

あなたが乗る予定だった飛行機は、すでに発っています。」


「えっ? 振替って、Free of charge ?」
「そう、無料で。 (Free of charge )」

少しほっとしたわ。
日本に発てることになったから。


フーコに電話をしたのは、空港からよ。
一刻も早く連絡したいと思って、到着が一日遅れるメッセージを留守電に残したの。

後で、フーコからメールをもらった時は、うれしかった。 怒っていないとわかったし。

メールにあったように「笑顔」を持ってきたわ。

空港のスタッフは、日本で待っているのは恋人だと思ったわね。

空港で預けた荷物?
返してもらったわよ。

家に持ち帰り、また次の日、出直して来たの。

今度は、気をつけたから搭乗は大丈夫だった。

無事にフーコにも会えたし、なにより日本に来れて本当によかった。