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2016.12.29
津軽弁の響き 情感豊か  故木村助男の方言詩朗読
 
       

木村助男の詩などを紹介した(右から)中村さん、
下川原さん、山本さん=25日、東京・浅草
 27歳で早世した五所川原市(旧飯詰村)出身の方言詩人・木村助男(1916〜43年)の作品を紹介する朗読会「津軽の光と陰」が25日、東京・浅草の「アミューズミュージアム」で開かれ、同市の自営業下川原久恭さんが情感あふれる津軽弁で代表作「養鶏」などを披露した。

 朗読会は青森市出身のフリーアナウンサー中村雅子さん、東京都の津軽三味線奏者山本大さんのユニット「朗読音劇社中」が主催し、交流のある下川原さんをゲストに招いた。

 木村の唯一の詩集「土筆(べべこ)」に収められた作品を中村さんが標準語に訳して紹介した後、下川原さんが津軽弁で朗読した。

 合間には山本さんが三味線を演奏、スクリーンには五所川原市の石黒亮一さんの写真が映し出され、来場者は独特の世界に引き込まれた。

 最後に、木村が養生のため苦労してヒヨコを育てて卵を得たことを書いた代表作「養鶏」を読み上げた。

 下川原さんは「(朗読会を機に)西北地方独特の津軽弁で書かれた木村の作品を首都圏の人にも知ってほしい」と語った。
この日は五所川原市(旧金木町)出身の太宰治の作品「メリイクリスマス」なども披露され、太宰の孫津島淳衆院議員(本県1区)も会場を訪れた。