2006/07/21
「ホラーな話


ひyoこchanへ

やっと顔の「デモノ」治ったじゃあ。
一年間悩まされただ。
はあ〜、さっぱどした。

たいしてオナゴぶりがいいわけじゃなし、
唇のはじにポツリと「デモノ」がでたくらいじゃあんまり気にもとめないでいたんだが。
そのポツリが一年かけて右頬全体に広がるとは思わなかった。
ポツリは一回ひけて、また出たときは1円玉くらいのヤケドの跡のようになり、それもしばらくするとまたひけて、今度は500円玉大になって登場。

だって最大のときは右頬全体が赤くただれたようになって、知り合いのおばあちゃんに会ったときなんか、
「山に行ったの?」
「へ?」
「だってその顔、うるしに負けたんでしょう?」
って すごーく同情されたほど。

例えていうなら楳図かずおの「ヘビ女」の変身途中の一コマ。
悲しい例えだけどあまりにピッタリ。

その頃になると実家の母は、内臓からきている難しい病気の前ぶれに違いないと決めつけ、
「病院行ったが?」「先生、なんてしゃべってら?」「血もとってみろ!」と
隣の部屋から話しかけているんじゃないかと思うほどの電話攻撃。

あるときは早朝、あるときは夕飯時、またあるときは仕事中の職場にかかってきて、
「お電話かわりました」と出たとたん、
「病院さ行ったが?血とって調べてもらうんだば休憩時間にでも行って来るにいんでねが?行がねばまいねよ!わーわーわー、わーわーわー!!」
と、一気にまくしたててガチャンと切れた。

その間おらはほんとに一言も言えなかったよ。
 ─────おら、この人から生まれだんだよなあ。
 ふう───。

発病(?)から4軒目の皮膚科に通い始めた頃には、母の心配もピークに達したらしく、
「おら 神様さ行ってきたじゃ。」とかなり誇らしげな電話が職場にかかってきた。

神様がおっしゃるところでは、何かの タタリ ・・・などではなく、体質的に皮膚が弱いタイプであると。悪い病気からきているのではないから安心しなさい。チョコラBBを飲むといいです。
というアドバイス(?)だったらしい。

即行動の母はさっそくチョコラBBを買って、
「あんたに買って飲めってしても、どうせすぐに買わねべ。」と
これまた勝ち誇ったように薬局の紙袋を渡してよこした。

またまた ふう〜。

渡り歩いて4軒目の皮膚科の薬がよかったのか、チョコラがよかったのか、
はたまた母の祈りが神様に届いたのか、おかげさまで「デモノ」は消えた。
登場するときはジワジワと「すぐに殺しちまったんじゃあつまんねえだろ。」って調子で現れたくせに、治っていくときは一週間ほどで、ハイ元通り。
なんだか拍子抜け。

顔も治ったことだし、17日の日曜日にはこってり化粧して「全日本女子バレー紅白戦」見に行ってきました。さらに歓迎レセプションのチケットまで買っちゃいました。

バイキングは元をとらないとな、と、張り切って食べ、手酌でビールを飲み、「おやじママ」になったおらはふらふらとトイレに行った。
「ふぅ〜、食った食った。」と言いながらトイレの鏡を見たら、ホッペの赤みが左右で違う。
右側の顔は「デモノ」が広がった形の通り、目の下から喉元まで赤みが浮き出ていた。

・・・・・ホラーな話でしょ。

皮膚科からいただいた・・・ 神様からいただいた・・・

しおまめ子より
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