東京雑感   楽しいけど歩がさるんだ 2007.5.31

 「下りがきついじゃ」
 JRに地下鉄、それにバス。縦横無尽に巡らされた都心の交通網。便利な半面、乗り継ぎなどで意外と歩く。疲れて膝がわらっている時の階段は、上りより下りがつらい。
 腰痛、筋肉痛にさいなまれる中、支社のS女史が「近くの整体マッサージに行けばどんです」と言ってくれる。
 でも若さが売りなので抵抗もある。2、3日すれば治る程度で大したことがないからだが、スポーツの後の筋肉マッサージならいいかなとか、つまらないことに見栄を張る自分が時々いやになる。
 
若い女性の靴はおしゃれ
(地下鉄銀座駅で)

歩きやすそうだね(銀座で)


 「スニーカーはどう?」
 都内に観光スポット、見どころは多い。巡るには時間と体力が必要。手っとり早いはとバスが人気なのも分かる。
 昨年5月に妻が上京した際、都内を案内しようとコースを考えた。当人も「東京見物をしたい」と張り切っていたのに、足が痛くなって早々に悲鳴を上げた。
 靴はパンプスだったが、着ている服との兼ね合いがあってスニーカーがいいともいえない。連泊したが、都内見物は初日の東京タワーと六本木ヒルズで終わった。タクシーを利用すればよかったのだが…。
 
 「車が足代わりだもの」
 地元弘前ではどこに出掛けるにも車で、極端にいえばドアtoドアなのだから歩く距離なんて推して知るべしである。何かの都合で地方から上京し、歩き疲れてというか、歩くのに懲りて戻る人が多いようだ。
引き継ぎの際、前任者が「2年間で靴を4足をはきつぶした」と言ったのを思い出す。都心で働く人にとっては靴が大事。歩きやすくないといけないのだから。

 「縦にも移動するっきゃ」
 アクセスが便利で、電車の待ち時間が少ないうえに運賃が安いといったら、地方の住人にとって夢のようだが、落とし穴がある。
 連絡口から改札までやけに遠かったり、乗り継ぐにも連絡路が四方八方に伸び、歩き慣れていないと疲れるかもしれない。
青森県中南地域県民事務所長の九戸眞樹さんが東京事務所長時代、月刊「れぢおん青森」(今年1月号)に「増殖する東京」のタイトルで書いているが、都心での移動は水平距離に垂直方向が加わるのだ。
 都営大江戸線は最も遅い開業だから、ホームは地下の地下のさらにまたその下。地中深くて3本、4本とエスカレーター、階段を使うのだから、時間もかかる。
 
にぎわう東京ミッドタウン。
タワーは高すぎて写真に収まらない


 「六本木が熱いんだ」
 話は変わるが、いま都内で熱いスポットといえ六本木。旧防衛庁跡地に3月末にオープンした東京ミッドタウンはオフィス、ホテル、商業施設が入った計6棟の建物に公園を隣接した複合都市で、54階建てのミッドタウン・タワーは高さ248 bで東京で最も高い。
 
アクセスは大江戸線と日比谷線。2カ月が経過し、開業当初の熱気が冷めたかと思いきや、とんでもなかった。ウイークデーでも地方の団体客らで盛況。
 
近くに国立新美術館がある。1月に開館した美術ファン必見のスポットで、ミッドタウン内のサントリー美術館と目と鼻の先にある六本木ヒルズの森美術館とを結んだ三角形を「六本木アート・トライアングル」と呼んでいて、一帯はいつも混雑している。
 
 先月下旬に新丸ビルがオープンした関係で東京駅界わいもにぎやか。
「東京に来ると歩がさるよ。履ぎ慣れた靴もってこいへ」。
  
万年青年Y
 

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