東京雑感  ついに来たじゃ! 2006.7.18

(暑い)ば」
 猛暑! 恐れていた季節がやって来た。
東京住まいで懸念していたのが暑さで、夏場をどう過ごすかだった。ご同業から東京の暑さは半端でないということを聞いていたし、汗かきなので恐々としていた。
 梅雨のうっとうしさはそんなにでもなかったが、先週の暑さには参った。
外気は膨張し4、5m先のアスファルトがよどんで見え、蒸し風呂のよう。地下街に逃げ込んでも、一度開いた毛穴は簡単には戻らない。
地下鉄のホームや車内は人いきれで湿度が高く「なんぼ蒸しあつば」と叫びたくなるほど。

「我慢さねばまいねや」
 そんな時、ご指導をいただいている某支社長は、誰彼かまわず殴りたくなるのだと冗談めかして笑う。彼もまた北国の生まれで、暑さは大の苦手という。仕事で汗だくになった日などは退社時間になったら一刻も早く自宅マンションに戻り水風呂に入るとか。
 一般的に東京の人(時々の周囲の人をさす)は我慢強くみえる。
前述のように暑いからと叫んだり、愚痴をこぼしてどうなるものでもない。
これは願望だが、炎天下に凛として涼しげな表情でいたいもの。時には無理をしたり、やせ我慢も必要と思う。
 
「わがままだのさ」
 我慢をした分、自宅ではその反動が。
帰宅するなり、着替えかビールが先か、一度にできない自分がもどかしい。
右手でワイシャツのえりのボタンを外しながら、左手は冷蔵庫の中のビールに。
 締め切った部屋はぬるい空気がよどんでいて、ビールを飲む前に窓を開けろ、エアコンをオンにしろ−と脳が矢継ぎ早に指令を出している。
汗ばんだ体をシャワーで流したいし、本当の自分はものすごく短気でわがままだと思うのがこの瞬間だ。
 
「かゆくてまいね」
 5月の半ばだったが、朝方に目を覚ましたら首筋に寝汗をかいていて不快だった。
明け方の気温が20度を超えていたもので、この時期、郷里の津軽と東京では最低気温が10度近い差があるのには驚いた。
だからといってエアコンを稼働させるのは時期的にも早いし、体調を崩しても困るから抵抗があった。
 寝汗はその後も続き、鎖骨のあたりにあせもができかかってかゆくなった。
あせもは赤ん坊にできるというイメージがあってかショックが大きく、我慢できずにタイマー付きのスリムファン(扇風機)、肌触りがいい綿シーツ、軽いダウンの肌掛け、それにひんやり感のある竹シーツと竹枕を購入した。
 優柔不断のため一人で買い物に出掛けるのは億劫なはずだが、この時ばかりは別で、思いつくままに買いに走る積極性があったことに自分自身驚いている。

 「ながながいいや」
 熱帯夜はこの先もずっと続くだろうし、これら“防汗グッズ”の真価が問われる。
竹シーツと竹枕は竹チップを組み合わせたもので、長時間の使用で体が痛くならないか心配
竹シーツと竹まくらで熱帯夜も大丈夫?
をしたが、考えすぎだった。竹の冷やかな肌触りと適度な硬さが心地よい。寝付きがよくなったのは確かだ。
 
とはいえ、連日の真夏日と熱帯夜。
寝苦しさが解消されたわけではなく、慢性的に寝不足気味なのは相変わらずで、エアコンで風邪をひかないように注意をしている。
 
これらグッズの購入を知った支社のS女史、妙に感心しながら「そうやって段々と物増えていくんだよな」だって。
自戒を込めて「そんだんだよな」とうなずいた。
万年青年Y

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