東京なりゆき通信2016 vol.1 雪です 2016.1.18

「東京も年に一度や二度は雪が積もるんですよ」。同僚からそう聞かされていましたが、それは1月18日朝、唐突にやってきました。
 17日夜の天気予報は「関東にも雪」と繰り返し伝え、夜中に目を覚ました時もやけに寒いなとは思っていたのです。ですが、根が津軽衆。東京の雪よりも古里の雪が気になり、そのまま朝を迎えたのです。

人形町。
シャーベット状の雪は本当に歩きにくいです。

 
 起きてカーテンを開けるとびっくり。人形町の大通りに雪が積もっているではありませんか。初めて見る東京のきれいな雪景色でした。
 ふと、同僚の話を思い出しました。「雪が積もると東京は電車が遅れて大変なんですよ」。きょうは月曜日、朝のラッシュもあります。さてどうしたものか。
 
 まずは早めに部屋を出ること。そう思いつつ、ごみを出し、クリーニング屋さんに出掛け、そうこうしているうちにいつもの出勤の時間になってしまいました。テレビはどこのチャンネルも雪のニュースを声高に伝えています。杉並で交通事故、歩行者が滑って骨折…。外は雨になっていましたが、路肩にはまだ雪が残っています。さあ電車で行くか、諦めて歩くか。同僚に連絡すると、電車は混み合いノロノロだけど動いているとのこと。そこであらかじめ用意していた冬用の靴(弘前で買って持ってきたのです)を履いて、いざ出勤。
 
 雪には慣れているはずの私でしたが、シャーベット状になった雪の上は実に歩きにくい。雪国の人間が「ワンツカ」の東京の雪で滑って転倒などということがあっては決してなりません。そう思って駅に歩くと、皆さんと同様に抜き足、差し足というおっかなびっくりの歩き方になってしまいました。しかも雨が激しい上に風も強い。
銀座も雪がまだ残っていました。
 
 どうにか駅に着くと、やはり電車はダイヤが乱れ、車内はいつもと違う満員状態。冬なので車内は空調がなく、何となく息苦しい。「銀座まで我慢、我慢」と思っても、電車は止まったり、進んだり。地下鉄で駅以外に止まるのは決して気持ちのいいものではありません。車内アナウンスが「雪の影響で遅れております、申し訳ありません」「停止信号です、申し訳ありません」を延々と繰り返し、ようやく銀座に着いたときはすっかりお疲れモードでした。
 
 弘前にいるときも思いましたが、電車はどうしてこうも雪に弱いのでしょう。東京メトロなんて地下ばっかり走っているのに…と思ってみましたが、それが現実だから仕方ありません。ワンツカの雪でこうです。これが大雪なら、大地震ならと思うとぞっとしますよね。
 
 初めての東京の雪は小パニックでした。今度見る雪は「♪東京で見る雪はこれが最後ねと」という「なごり雪」ぐらいでお願いしたいものです。 


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