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暑いです。本当に暑いです! 「東京の夏は…異常ですからね」と赴任当初から言われておりましたが、まさかこれほどとは。通勤でひと汗、昼飯でひと汗。でもって、少し動きやすくなる夕方からは銀座などでムキになって「水分補給」する毎日。そういうわけで心身ともに疲れ果てておりましたが、そんな中、なんと、憧れの作家・大沢在昌さんの新作本が手元に届きました。しかも「成田幸男様 大沢在昌」のサイン入り。いっぺんに疲れが吹き飛んでしまいました。 「M社花の都支社」の才媛Sさんのおかげです。東京出張でSさんと会ったときに私が大沢ファンだったことを知り、弘前にいた頃に初めてサイン入りの本を送ってもらいました。何の前触れもなく会社に支社から荷物が届き、開けると大沢さんの新作。ページをめくると、今回と同じように私宛てのサインがあったのです。まさにサプライズ! あの感激は今も忘れません。
すっかり忘れていましたが、東京に来てからは本当に本を読まなくなりました。いけませんね。一人暮らしだからそれなりに時間があるはずなのですが、本よりも、ついついテレビに見入ってしまいます。地デジはチャンネルが多いし、WOWOWの海外ドラマも見なきゃいけないし。大抵は録画しているのですが、その録画を消化鑑賞するだけでも時間が足りないという感じです。 本当いけませんね。これまであまり見なかったバラエティー番組も見るようになり、この前はテレビを見て独り言を言って笑っている自分に気付き、「やばいな」と思った次第です。
本を買わなくなったのは、書店をぶらつく回数が減ったからだと思います。暑いからだとは言いませんが、若干は影響があるのかもしれませんね。それでも元来が本好き。先日は猛暑の中、有楽町の書店に出掛けました。そのときに大沢さんの「極悪専用」が出版されているのを知ったのですが、単行本を持ち帰るのが大儀になり、ついつい他の作家の文庫本を購入したのでした。 それから数日しての今回のサプライズです。新作の「極悪専用」は大沢さん得意のブラックユーモア調の犯罪ストーリーです。「新宿鮫」シリーズや「佐久間公」シリーズの王道のハードボイルドではなく、どちらかというと「走らなあかん、夜明けまで」(こちらは極めて心地よい読後感のコメディータッチ)に通じる内容と言うべきでしょうか。チョイ悪の若者が裏社会に身を置かされ、さまざまな事件に巻き込まれていきます。久しぶりに大沢さんの本を手にし、この若者はどうなるのだろう、この女性たちは最後どうなるのだろうと、それこそ久しぶりにハラハラ、ドキドキしながら夢中で読み進みました。いつもながら、登場するキャラクターが実に魅力的なのです。さすがです。 日本では普通ではあり得ない設定や事件。それが「大沢ワールド」では何の違和感もなく、いまそこで起きている事件に思えてしまう。これもさすがです。 いつも思うのです。ページが少なくなると、「これでまた大沢作品とはしばしお別れか」と。現在も週刊誌に連載があるのですが、それはあえて読みません。出版されるのをひたすら待つのです。大沢さんの本を読める幸せ、新作を待つつらさ。それもこれもファンならではの楽しみです。 大沢さんの本を読み終えて、やはり小説はいいなと思いました。テレビも映画もいいけど、やはり活字がいい。新聞人だからですかね。暑い東京でいい時間を過ごしているという気持ちになります。自己満足ですが。 ただ、残念なことが。大沢さんをはじめとするそうそうたるメンバーが集うイベントのチケットが、これまたSさんのご友人から「あるよ」と連絡が来たそうです。しかし、当日、私は軽井沢に出張。それを出張から帰ってから聞きました。仕事だったので仕方ないですが、いやあ、本当に残念でした。 残念と言えば、いつもサプライズをくださるSさんのご友人が経営する六本木のバーにまだ行けていません。大沢さんたちが常連ということは、私みたいな、しがないサラリーマンが行く場ではないのでしょうが、今度ぜひおじゃましてみたいと思っています。もしかしてばったりお会いしたりして。それも何か、畏れおおいことですが…。 |
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