東京なりゆき通信 vol.1  人形町 2015..4.14

 初の東京住まいで選んだのは中央区日本橋人形町。江戸情緒が残る人形町だけに、あいさつ先で「いい所を選びましたね」とよく言われます。「でもまあ、どうして人形町に決めたんです
人形町のからくり時計
?」と、これもまたよく聞かれます。そういう時は若干、間を置いて「…新参者…ですから」と低音で答えます。ここで「くすっ」と笑われた方、「うむ、うむ」とうなずかれた方とは、きっと趣味が合います。「新参者? なにそれ?」という人も含め、「なりゆき通信」にご感想など寄せていただければと思います。

 さて、その人形町。甘酒横町を中心に魅力的な食べ物屋さん、飲み屋さんなどが落ち着いた雰囲気で並んでいます。夕方までしか営業していないおでん屋さんで晩のおかずを買ってみました。本来は鍋や皿を持参して買うものらしく、それを知らずに並んだ新参者の私には、ビニール袋、紙袋、さらにビニール袋にと、丁寧に包んでくれました。すぐ近くの鶏肉屋さんでは焼き鳥を数本。大好きなレバーが前のお客さんで売り切れてしまったのが残念でしたが、それも次に訪れる楽しみへと代わります。言葉ではうまく伝えられませんが、すごく優し〜い雰囲気の街なのです。

 ただ、困ったことがあります。私、こう見えて実はワイン派。プライベートな飲みなら最初から最後まで赤ワインで通します。ですが、人形町には日本酒、焼酎の似合う魅力的な飲み屋さんがいっぱい。焼き魚、焼き鳥、ホルモン、おすしで盛り上がっている人たちを見ると、そういう店に入って「赤ワイン」というのは、さすがにちょっと「違うな」と思ってしまいます。
 以前、弘前でちょっと体調を崩し、かかりつけのY先生がのんべぇの私に全面禁酒はかわいそうと思ったらしく、「まあ、飲むならワインだな。それも赤ワイン」というご指導がありました。以来、弘前では自宅はもちろん、居酒屋、スナックともずっと赤ワインという次第です。それがまた体に合ったらしく、以降はいろいろな健康チェック項目の数値が標準まで下がったのです(ここ1,2年はちょっと怪しいですが)。
 Y先生のH大医学部同期というN先生と飲んだ際に、N先生からは「それはYが間違っている。あいつは学生の時からいい加減だったからなぁ。私を信じて、飲むなら焼酎にしなさい」というアドバイスもいただきましたが、フランス、チリ、スペインなどワインの味を知ってしまった私には、もはや後戻りはできない? のです。弘前での送別会も大抵はワインでした。Jちゃんチでの「家のみ送別会」では本当においしいワインをごちそうになりました。私にとって飲みと言えばワインというのが当たり前になってしまっているのです。
 もちろん、人形町にもワインの飲める店があります。まだちょっとしか行っていませんが、それでもやはり、「焼き魚を食べながら焼酎を飲みたい」という誘惑に負けそうなのです。
日本橋の「麒麟の翼」

 話はちょっと逸れますが、先日、県人会関係の会合で目の前に弘前の日本酒がどんと置かれました。ずっと飲んでいない日本酒ですが、青森県出身の在京の皆さんにはやはり古里のお酒なんでしょうね。その気持ち、分かります。内緒ですが、少々なめました。うまかったなぁ!

 さてさて人形町の話。右に行けば明治座、浜町公園、隅田川。左に行けばお江戸日本橋。いずれも歩いてすぐ。先日は日本橋で「麒麟の翼」をスマホでパチリ。どこまでも「新参者」の私でした。
 
 という私ですが、決して遊んでいる訳ではありませんよ。万が一、電車が事故で不通になったり、大きな災害が起きたりしても、「ここからなら銀座の支社まで歩いて行けるだろう」と、最大限、仕事のことを考え人形町を選んだのが本当の理由です(まあ、そういうことにしておいてください)。 
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