多田野 フー子
☆わたしはマギー
マギー う〜う〜事件

                                                         
今日は、朝から大学で講義がある日。
いつものように、満員電車に乗る。
途中で、乗り換えのため下車。

駅構内の通路を歩いていると、前を大学の友人、さおりちゃんが歩いているのを発見。

もうすぐさおりちゃんは下りエスカレーターに乗るところ。
ちょっとおどかしてやれ〜。

さおりちゃんがエスカレーターに乗り、その後ろにマギーが乗った。

マギー(さおりちゃんの背中に向かって、う〜う〜と低音でうなった。)

さおりちゃんが、ぱっと後ろを振り向いて、
あっ、何よ、マギー。驚いたじゃない。(笑)のはずだった。


えっ、さおりちゃん、下を向いて固まっちゃった〜。

うわっ、最悪。
さおりちゃんの前に立ってるおじさんが振り向いた。

おじさん、うなっている私を見て、驚いてる〜。

「なんだ、この変な外人は」っていう表情。

恥ずかしい〜。
顔を上げられない。
なんで、さおりちゃん、振り向いてくれないのかなぁ。

やっとエスカレーターが、下に着いた。

あっ、さおりちゃんが猛ダッシュして行っちゃった。


とぼとぼ駅構内の通路を歩き、乗車の列に並んだマギー。

隣の列に並んでいたサラリーマンのおじさんが、ギョッとした表情をしてマギーを見ている。

あっ、さっきエスカレーターで振り返ったおじさんだ。

私を確認したら、おもむろに隣の列を離れて、別な車輌の列に並びなおしてた。

あぶない外人だと思われたんだね。

あぁ〜。
恥ずかしすぎて、しばらく、この時間帯にこの路線には乗れない。


大学に着き、講義を受けるも、うわの空。


お昼に、今朝の自分のばかな行動を友逹に聞いてもらおうと学食に行ったら、さおりちゃんがいつものメンバーと座って話していた。

さおりちゃん、と声をかけようとした時、その中の一人が、教えてくれた。

「ねぇ、マギー。
今朝、さおりちゃんが変質者に絡まれて怖かったって。
何かされる前に、逃げたから大丈夫だったけど、マギーも気をつけてね。」


あぁ〜。
さおりちゃん。
今朝、エスカレーターに乗る前に会いたかったよ。



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