ある休日の午後、最寄り駅で、買い物をしていたハルさん。 どこからともなく「ハルさん。」と呼ぶ声がした。 誰だろうと、声のする方向に顔を向けた。
「ハルさん。お久しぶりです。」
そこには、30歳くらいの女性。
身長は170センチ、体重は45〜6キロくらい。 色白で顔がちっちゃくて、サラサラのショート・ヘアー。
そして、こぼれる笑顔。
ハルさん(…、はて?…。 この美しい女性は誰?。)
「ハルさん。私です。 以前、会社でお世話になったヒロミです。」
ハルさん「えぇ…?
ヒロミ…ちゃん? ヒロミちゃん、印象が変わってわからなかったわ。
私の知ってるヒロミちゃんは、もう少し…(ぽっちゃりしてたから…。)」
ヒロミ「私、腰痛がひどくて、お医者さんから体重を減らすように言われていたんです。
それで20キロ落としました。」
ハルさん「えぇ〜、20キロも? どんなダイエットしたの?。とっても気になるわ。 立ち話もなんだし、ヒロミちゃん、時間があったらお茶でもしない? 詳しく教えてよ。」
というわけで、コーヒーショップへ。
ヒロミちゃんは、以前、隣の部署で働いていた。 体調を崩して退社したと聞いていたが…。 そういえば、いつも夜遅くまで残業をしていたっけ〜。
「○クロビオディックの本を買って、載っていたレシピを片っぱしから作ってみました。 あまり手をかけ過ぎないように工夫して、お弁当も自分で作っていました。
そのうちに少しずつ体重が落ちてきて、2年間で20キロ減りました。 今では、体調もすっかりよくなりました。」
「運動は、なにかしたの?」
「いいえ。 特にハードな運動は何もしませんでした。
あっ、でも、麺棒で身体中をこすりました。 お腹とか、太ももとか、お尻とか…。」
「麺棒? なぜ麺棒なの?」
「たまたま、テレビを見ていたら、麺棒で身体をこする健康法をやっていたんです。
ラップの芯でも効果があるらしいので試しにやってみたら、そのうちセルライトで、でこぼこだった太もものがスッキリしていました。
最初はね、すごく痛いんですよ。 だから、そっと撫でる感じでやっていました。 テレビを見ながらコロコロって。」
「それと、吹き矢を習っています。 これもテレビで見て教室に通い始めました。」
「吹き矢?」
「スポーツ
吹き矢っていうんです。 ダーツの吹き矢バージョンと考えると想像しやすいと思います。
けっこう腹筋を使うので、ウエストも締まってきた気がします。」
その後もダイエット談義に花が咲き、時間を忘れて話し込む二人だった。
「麺棒か〜、早速やってみよう。健康診断も近いし…。」
始める前から、自分のほっそりしたウエストと太ももを想像して、一人でニヤニヤが止まらないハルさんだった。
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