いつもハッピーなハルさんだが、今日は特にご機嫌である。
昨日からとても待ち遠しかった。どのくらい楽しみにしていたかというと、小学校の遠足の前日くらい。
昨日、隣の部署のマキさんから昼食のお誘いがあった。
マキさん「ハルさん、明日のランチをご一緒にいかがですか。」
ハルさん「もちろんよ。」
マキさん「では、お昼のお弁当は私が作ってきますね。」
ってことで、昨日からランチタイムをこころ待ちにしていた。
そしてお昼時間がやってきた。
マキさんとは、気があって仕事以外でもよく食事をする仲だ。 大学生の娘がいるのも共通点である。
「はい。これがハルさんのお弁当。」
渡されたのは小ぶりの手提げ紙袋。 中の花柄の紙袋を開けるとアルミ箔に包まれた「おむすび」が二個。 小ぶりの容器に入った「菜の花のごま和え」とプチトマト。 プチ○ノンのヨーグルト、大人のたけの○の里、 フォークとスプーンとウエットティッシュ。
ハルさん「わっ〜。まるで遠足〜。」
まずは、アルミ箔を開く。海苔が巻かれたおむすびを一口、ぱくり。
「あれ?
ぷりっぷりっとぷちぷち。二つの違う食感。磯の香りがする。 目をみはるほど、すご〜く美味しい。
これなんだろう。」
おむすびの中身をよく見るハルさん。
ハルさん「小エビに明太子、それと…ワカメ?」
マキさん「うふふ。高菜漬けを炒めたものよ。自分で味付けしたの。 うちの常備菜よ。」
ハルさん「自分で作ったの?」
マキさん「簡単よ。高菜の漬物を水で塩抜きしたら、細かく切って醤油、酒、ごま油を入れて、水分がなくなるまで炒めるだけ。最後にいりごまをふって出来上がり。」
ハルさん「今日は、早起きをさせてしまったわね。」
マキさん「そうでもないのよ。小エビは酒蒸しにして冷蔵庫に入れておくだけだし、菜の花はゆでて醤油、砂糖、すりごまで合えるだけ。全部前の晩に用意できるから、朝はおむすびを握るだけよ。」
いつもは、パリパリ海苔派のハルさんだが、これには絶対しっとり海苔が合う。
あれ、これに似たおむすびをどこかで見たことがある…。
(あっ、あれだ。
居酒屋にある、五種類とか七種類とかの具が入っている大きなおむすび。
爆弾おむすびっていったっけ…。
お口の中で何種類ものうまさが爆発しますって意味かな?
)
無理やり名前をつけるとしたらマキさんの「小さなバクダンおむすび」かな。
(はぁ〜、そのまんまだ。)
上品であと引くうまさ。
お口の中でおいしさが弾けます。
何度でもいいます。
これは、うま〜〜い。
大人になると誰かの手作りのお弁当を食べる機会はぐんと減る。
マキさん、ごちそうさま。そしてどうもありがとう。
身体だけでなく、心もほっこりしました。
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