Dandy?渡邊のCity日記   熊のつぶやき 2011.9.29

花の都もようやく秋めき、Dandy渡邊?も大嫌いな暑さから解放され、あたかも熊が冬眠からさめたように活動を始めました。そういえば今年も我が故郷・大鰐町の山の中では熊が出没し、農作物を食い荒らしていたそうな…。にわか都会人の私も心が痛みます。


       六本木デビューしました

 活動再開の第1弾として六本木デビューを果たしました。大学時代の4年間を含め、なぜか縁がなかった六本木(芸人みたいにギロッポンなどとは決して言いません)。しかし、東宝シネマズ六本木ヒルズで、若い頃にこよなく愛したロックギタリスト・ジミー・ペイジ(元レッド・ツェッペリン)ら3人のギタリストを取り上げた映画「GET LOUD(ゲット・ラウド)」が上映されているとあっては黙っていられません。

 封切り2日目に鑑賞に出掛け、日比谷線六本木駅で降りて見上げるヒルズに「おろ〜、やっぱり高(たげ)じゃ〜」と思わずおのぼりさん≠フ感想。4月に東京勤務となって以来、毎日のように常磐線から遠目に眺めるスカイツリーより高いようにさえ見えました。


       やはりジミー・ペイジ最高!

 映画館は私と同世代の観客が多く、大半はツェッペリンファンと勝手に解釈した。まずは往年のライブシーンで伝説のドラマーである故ジョン・ボーナム(愛称ボンゾ)が登場したところで、涙腺が緩い私は思わず泣きそうに…。

 そしてツェッペリンの代表作「胸いっぱいの愛を」では「来た〜ッ!!!」って感じ。さらに「天国への階段」では、最高傑作だけにかなりの時間を割いてペイジのツインネックのギター演奏シーンがあり、まさに陶酔状態。「やっぱりジミー・ペイジ最高」と心の中で叫んでいました。

 実は大学時代、まだ現役だったツェッペリンが武道館公演に来ようものなら、何日大学を休んででも徹夜で並んでアリーナ席を取ろうと、日々「来日公演」の吉報を待っていたんですが、夢はかないませんでした。もし来日したら…チケット代は? 親からの仕送りかな? 馬鹿者! そのくらいバイトして稼げってガ…。


        今度は都電デビューで〜す


 感動の映画鑑賞から1週間後、今度は都電デビューです。大学時代前半の2年間、西巣鴨1丁目に住んでいました。アパートの裏を都電が走っていたのですが、若気の至りで「なんも東京サまで来て、昔くせぇ電車サ乗る必要もねぇべ」との思いから、都電を利用したことがなかったんです。

 しかし、卒業から30年以上たった今、青春時代にプレーバックしたい−との思いからか、無性に都電に乗りたくなり、今の住まいの松戸から常磐線に乗り千代田線直通の町屋駅で降り、小学生の遠足のようにワクワクしながら都電に乗り込みました。それまで鉄道マニアのいわゆるテツ≠割と冷めた目で見ていましたが、この時ばかりは理解できるというか、テツの仲間入りをしたような気分でした。



       懐かし〜ッ! お年寄りの原宿

 風情あふれる都電に揺られること25分ぐらいでしょうか。最初の目的地である巣鴨地蔵通り商店街に行くため、庚申塚で下車。大学に入ってアパート住まいをするにあたり、カーテンやじゅうたん、カラーボックス、照明器具など家財道具一式を安価で買いそろえた商店街です。


 延命地蔵菩薩「とげぬき地蔵尊」があり、若者が集う原宿に対し「お年寄りの原宿」と称される場所だけに、昔と変わらず高齢者の姿が目立ちました。また、当日は天祖神社御祭礼が行われ、近隣町会の御輿が練り歩いていたせいもあり、どこか落ち着いたたたずまいがいいなと思えるのは私もここに似つかわしい年代に入ってきたということなんでしょうか…。


















      とげを抜いた?

 高岩寺では、私は元来とげのない人間なもので、とげは抜いてきませんでした。ただ、昔懐かしい手回し式のかき氷機で作ったかき氷(顔に似合わずイチゴ味にしました)を味わい、「たまに食(け)ば、めぇもんだでばし」と都会の喧噪の中で得た一服の清涼剤に心身共に癒やされ、とげの代わりに前夜の酒を抜いてきました。


       交番だけが…

 次の目的地はとげぬき地蔵尊に程近い、かつて住んでいたアパート。当時から古かったので残っていないのは分かっていましたが、周囲を含めて近代的なマンションに様変わりしていました。近くにあった銭湯も今はなく、辛うじて交番だけがほぼ以前のまま残っていたぐらい。
 
 そういえば、この交番にもお世話になったっけ。といっても私は決して犯罪者ではありません。罪と言えば時々、女を泣かせることぐらいでしょうか………???。すいません。うそをついていました。一度ぐらい言ってみたい言葉だったものですから。


       おばさん、かにしてけ

 交番のくだりを説明すると、大学2年の秋ごろ友人2人がアパートを訪ねてきたので軽く一杯やりながら、とりとめもない話をしていたら、階下のおばさんが「あんたたち、うるさいわよ」と怒鳴り込んできたんです。

 私を筆頭に物静かな友人たちばかりで、そんなに騒いでいたという自覚はなかったので、おばさんに「そんなにうるさかったですか」と聞き返したのが癇に障ったらしく、何とおばさんは警察を呼ぶという暴挙に及んだのです。

       逮捕されるんだベガ

 そしたら交番からお巡りさんが3人もやってきたではありませんか。相当な剣幕で通報したらしいのです。一瞬「おらだぢ逮捕されるんだベガ」という思いが脳裏をよぎりましたが、そこは3人とも法学部の学生です。「そんな理不尽なことがあるわけがない」と冷静に事情を話したところ、お巡りさんも「神経たがりのおばさん」と理解してくれ、事なきを得ました。

 そんなことや、2カ月間の夏休みを実家で過ごしてアパートに帰ったら、ドア一面に「◯月◯日までに購読料を支払え さもなくばしかるべき手段に訴える」という某M新聞販売店の脅しに近い張り紙があった(休み中、新聞を止めなかった私がいけないんですが)こと、麻雀で遅くなり池袋止まりの山手線終電で帰ってサンシャイン60の脇を30分ほどかけて、とぼとぼ歩いたことなどを懐かしく思い出しました。

 そうこうして西巣鴨は卒業する決意を固め、後半の2年間は若者の街・吉祥寺で青春時代を謳歌することになるのでした…。          (次回以降に続く)

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